正しい意思決定のための情報収集

なぜ関税交渉が進まないのか──アメリカの戦略と日本の誤解
【ボタンのかけ違い──外交交渉の失敗は戦略の不在から】 関税交渉が難航する背景には、日本とアメリカの「認識のズレ」がある。日本側は経済問題と捉えているが、アメリカは安全保障の問題と見ている。特にウクライナ戦争を経て、アメリカは国内生産体制の強化=自国防衛を重視しており、中国依存からの脱却に動いている。 しかし日本は、相手の本音や戦略、さらには交渉相手の人間性すら読み取ろうとせず、結果として“後回し”にされた。 もし脳力開発の城野宏氏がいたら、次の4ステップを提案するだろう。(1) 国家戦略を定める、(2) 徹底的な情報収集、(3) 相手の人間性を観察、(4) 多様で柔軟な戦術を組む──である。 外交に必要なのは「相手の立場に立って考える力」と「戦略的思考」。それが欠けている限り、交渉のボタンはかけ違ったままだ。
戦争・信仰・崩壊の中で育った男――プーチンの生い立ちと国家観
**プーチンの「国家」への執念はどこから来たのか?** ロシアのプーチン大統領は、なぜ国民から高い支持を得ているのか。その背景には、戦争と貧困に翻弄された幼少期、KGBとして体験した東独での国家崩壊の恐怖、ソ連崩壊後の経済危機という個人的体験がある。民主主義よりも秩序を重視し、国家と宗教を柱に再建を進める彼の思想には、イリインやドゥーギンといった保守思想家の影響が色濃く見られる。好き嫌いでなく、背景を知ることが理解の第一歩だ。