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部下の話を聞く大切さ

部下の話を聞きなさいとは、なんとなく上司から聞いてきたけど実際自分はどうだったか。私にも部下がいたが去っていった部下も多かった。その時の私の心理状態はいろいろある中で大きく分けると3つある。

①部下を「人間的に下」に見ており興味を抱くことがなかった。

②自分の仕事が忙しく、部下の話を聞く余裕がなかった。

③部下の話を聞く真の目的を教えてくれる人がいなかった。

以上の3つだと考える。

以下一ずつ説明する。

①部下を「人間的に下」に見ており興味を抱くことがなかった。

これは今考えれば大変恥ずかしい間違いであり、当時の私はこの間違いに気づくことが出来なかった。仕事上の立場や経験から上司が仕事が出来るのは当然であり、ただこの1点だけにフォーカスして、自分が偉いと勘違いをしていた。仕事以外のことに目を向け、たとえばSNSの使い方や、ネットでの情報収集の仕方など聞いて学ぶべきことがたくさんあったと思う。自分の成長の機会だったにも関わらず、得ることのない下の人間であり、興味を抱くこともしなかったのは後悔でしかない。

②自分の仕事が忙しく、部下の話を聞く余裕がなかった。

中小零細企業においてはプレイングマネージャーと呼ばれている、「管理職としての立場と実行する立場」の両方をこなしている場合が多い。仕事に言い訳をして部下の話を聞く余裕がなかった。厳密には話を聞く余裕というよりもそもそも時間割に入っていなかったと考える。お客さまとの仕事を優先し、こなすことで私は成長した。自分で考えて解決することで会社に貢献してきた。自分で考えて欲しいから部下には自由にやらせていた。本当自分に余裕がなく、放置してきただけだった。

③部下の話を聞く真の目的を教えてくれる人がいなかった。

何故、部下の話を聞かなければいけないのか。当時は全く理解していなかった。その理由は今はしかりと説明することが出来る。たとえば2人の幹部がいる。2人とも個人としての能力は同等である。Aはいわゆる一匹オオカミ型で黙々と業務をこなす。Bはいつもニコニコ部下の話を聞く人間関係構築型の幹部。Aの幹部は自分がこれだけ頑張っているから、周りも頑張ってくれるだろうと部下への仕事は丸投げ。質問に来ている部下も面倒さそうな幹部の顔に嫌気がさし、報告をしなくなっていった。Bはヒアリングを定期的に行い、部下が問題を報告したくなる環境を整えている。問題を早急に発見し、対処することが出来る。しかも、話を聞いてくれた部下は信頼関係が生まれこの幹部にはとことんついていこうと、猛烈に仕事をこなしていく。

もうお分かりだろうか。なぜ部下の話を聞かなければいけないのか。部下の話を聞くことは自分の仕事を止めてでも、時にはお客さまとの商談よりも重要であるということがわかる。

参考文献:自己満足ではなく「徹底的に聞く」技術 赤羽雄二