先日、お気に入りのYouTubeを見ていると、涼しげなサーキュレーターの広告が目に留まりました。
なんでも「東京大学とパナソニックの共同開発」で、サーキュレーターなのに冷たい風が出てくるという、夢のような機械とのこと。
価格は8,000円程度。ちょうど書斎にはエアコンがなかったこともあり、これはラッキー!と飛びついてしまいました。
ところが――
産経新聞 2025年7月11日付
「1秒で20度冷却」 大手家電メーカーや有名大学かたる偽広告 パナソニックが注意喚起
https://www.sankei.com/article/20250711-HBSXHUWWCZO4ZJB22MQNZT2AEA/
…そう、完全にフェイク広告に騙されていたのです。
「こういう商品は、お年寄りが引っかかるものだ」と思っていた自分が恥ずかしい。
しかし、これは他人事ではありません。なぜなら、人間の一生は「情報収集 → 判断 → 実行」の繰り返しだからです。
こんな失敗ばかりしていては、身が持ちません。
ということで、今回はこの失敗をきっかけに、情報の種類を3つに分けて整理してみたいと思います。
情報の3分類
C情報:世間の噂・ニュース・CMなど
最も量が多い情報で、テレビCMやネット広告、SNSの話題、YouTubeの紹介などがこれにあたります。
「有名な番組で紹介されていたから安心」「NHKは公共放送だから正しいに違いない」「こんなに広告が出ているんだからチェック済みだろう」——こうした“思い込み”が判断ミスを招きます。
私の場合も、「有名YouTube番組 × CM」の組み合わせで完全に油断していました。
このC情報は、広く浅く拾っておくもの。決してこれで判断してはいけません。
B情報:信頼できる人が見た情報
たとえば、自分を心配してくれる親友や家族、お気に入りのユーチューバーやインフルエンサーの言葉もB情報にあたります。
信頼できる人からの情報であっても、思い違いは誰にでも起こるものです。
「信じられる人だから」といって、それを鵜呑みにして判断するのは危険です。
このB情報も、判断の根拠にしてはいけません。
A情報:自分の目で見た確定的事実
これが最も重要な情報です。
自分の足で見に行き、実物を確かめ、数字や仕様などの裏付けを取る——そうした情報こそが、意思決定の土台となるべきものです。
とくに、経営者やリーダーのように重要な判断を下す立場にある人間は、このA情報をもとに判断を下す必要があります。
じゃあCやBの情報は不要なの?
そうではありません。
人が一人で集められる情報には限界があります。だからこそ、まずはC情報をなるべく広く集めることが大切です。
そこから信頼できるB情報にアクセスできる人間関係を築くこと。
そのためには、自分の話ばかりせず、相手の話に耳を傾け、素直に受け取る姿勢が求められます。
そして最終的には、A情報——つまり自分で確かめた事実に基づいて判断を行う。
このプロセスを踏むことで、初めて正しい意思決定ができるのです。
…というように考えられるようになれば、二台目のサーキュレーターに引っかかることは、きっとないはずです。
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