情報の海に溺れないために──石破首相ニュースに学ぶ3つの原則

 

 

参院選後のニュースが面白い。石破首相「やめろ」というニュースと、「辞めるな」というデモのニュース。一体どちらが正しいのか?

 

政治の話であれば、「無視して終わり」と割り切ることもできるかもしれませんが、そうはいかないのがビジネスやプライベートでの情報収集です。今回は、この情報収集についての基本的なポイントをお伝えします。

 

【情報判断の基本3原則】

① 確定的事実

確定的事実とは、「自分の足を使って、現場や現物を見て判断したこと」、また「数字的な裏付けなども自分で調べたもの」を指します。

 

「ユーチューバーの〇〇さんが言っているから」とか、「専門家の〇〇がそう言っているから大丈夫」といった話は、確定的事実ではありません。ましてやNHKが言ってるからなどと言うのは言語道断です。

 

② 立場

「どんな立場で発言しているのか?」という視点は、見落としがちですが非常に重要です。

 

たとえば、参院選で当選したラサール石井さんは、石破首相についてコメントを求められた際、「ここ最近の自民党の首相では一番まとも」と発言しました。

 

参考リンク:https://sn-jp.com/archives/245953

 

さすが、テレビに出ていた方らしく、視聴者が何を聞きたいのかをよく理解しているコメントです。

石破首相に対して、てっきり辛口なコメントが出ると思っていたリポーターは、内心ほくそ笑んだのではないでしょうか?

 

ところが実は、ラサール石井さんは社民党の福島党首から出馬要請を受けていました。

社民党は議席数が減り、党の存続自体が危ぶまれている状況です。その社民党を「進歩発展」させなければならないラサールさんとしては、メディアの注目を集め、戦いやすい相手として石破首相に続投してほしいという思いが込められていたのかもしれません。

 

もうおわかりかと思いますが、「立場のある人の発言」は、何らかの意図が込められていることが多く、鵜呑みにするのは危険です。

 

③ 主流と支流

ラサールさんのような発言をマスコミが取り上げるのは、「世間が驚く」からです。つまり珍しいからニュースになるのです。

 

参院選の結果として支持率が低下している中で、有名人が逆の意見を言うと話題になります。こうしたニュースは、**支流(周辺の情報)**として冷静に仕分けすることが大切です。

 

同様に、週末に行われた「石破首相辞めるなデモ」もそうです。

自由民主党の支持者でもない人たちが集まって続投を訴える。本当に応援しているのであれば、選挙の前に行動していたはずです。

 

「辞めるなデモ」は前代未聞の出来事で、メディアも飛びつきました。ですが、このようなニュースを主流(本筋)と読み違えて行動すると、誤った判断につながってしまいます。判断を下すのは主流は何なのかを掴むことが大切です。

 

大事な判断を迫られるときに、情報の数だけ集めても問題は解決しません。①確定的事実②立場③主流か支流を見極めて判断しましょう。