1. イントロダクション:日本の組織が抱える「根本的な問題」
日本で働く人々の約5人に1人しか幹部になりたいと思っていないことをご存知ですか?
昇進をためらう理由の多くは、「わずかな昇給と引き換えに、責任が著しく高まることへの恐怖」です。
そもそも、現在の「役職が上がっていくこと」を前提とした人事評価制度は、もはや組織の実態と乖離していると言わざるを得ません。
かつて組織改革で成功を収めたGoogle(心理的安全性)、マイクロソフト(チームビルディング)、サイボウズ(離職率28%→4%改善)の事例があるにもかかわらず、なぜ多くの企業はチームの関係性強化を本気でやろうとしないのでしょうか。
コロナ禍を経て、組織のエネルギー源である「人との関係性」は特に低下しています。私たちは、小手先の施策や新しい「やり方」の前に、この低下した関係性を改善しなければ、社員が本気で働いてくれることはありません。
2. 本論:組織のエネルギーを奪う「3つの壁」
私たちのチームや組織のパフォーマンスを妨げているのは、個々のスキル不足ではなく、コミュニケーションと人間関係にまつわる**「3つの壁」**です。
🔹 壁1:曖昧性の壁(コミュニケーション)
「仕事を丸投げ」で終わっていませんか? 日本語は良くも悪くも曖昧な言語です。
【問題点】 「よろしく」「うまいことやって」といった抽象的な指示は、相手に不安と手戻りをもたらします。
【乗り越え方】 相手中心主義に立ち、「相手に伝わるように言語化する」ことを徹底します。指示は必ず**5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)**で明確に伝えましょう。
🔹 壁2:関係性の壁(人間関係と信頼)
「嫌われている」と感じる相手との仕事は、最高のパフォーマンスを生みません。
【問題点】 上下の階層を「偉い/偉くない」という視点で見ていると、本音の対話は生まれません。
【乗り越え方】 役職に関わらず「人として向き合う」こと。さらに、積極的に自己開示を行うことで、相手との信頼残高を増やし、協力してもらいやすい環境を作ります。
🔹 壁3:存在の壁(チームへの影響力)
あなたの存在は、チームのエネルギーを上げていますか、下げていますか?
【問題点】 会議中にしかめっ面で腕を組み、つまらなそうな顔をしていると、それだけで周囲の士気を下げてしまいます。
【乗り越え方】 自分の存在が、周りのスタッフにエネルギーを注ぎ込めるような存在となることを意識します。
まずは笑顔の練習から始めましょう。
そして、どんな小さな貢献にも感謝の言葉を積極的にかけましょう。
3. まとめ:日本の組織に欠けているものと「次の一歩」
日本の組織には、個人としては優秀な人がたくさんいます。しかし、組織として見ると「協調性」があるようで、その内実は**「依存」と「画一(みんなと同じであること)」**に甘んじているケースが散見されます。
私たちが本当に目指すべきは、誰もが当事者意識を持ち、リーダーを支えるフォロワーシップを発揮できる、高い関係性を持つチームです。
「やり方(施策)」の効果は、その前に築かれた「関係性」によって決まります。
まずは今日から、この「3つの壁」を乗り越える行動を一つだけ始めてみませんか。

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