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マネージメントゲーム 理入と行入

 緊急事態宣言も解除となり、顧問先で初めてマネージメントゲームを1卓5名で1日行なった。昨年よりお世話になり、常々自分の目から見ても、ここが足らない、ここがおかしいと伝えてはきたが、なかなか改善されなかったのが実情であった。しかし今回初めてではあったがマネージメントゲームを開催する中で明らかにスタッフの表情や受け止め方が違ってきたことが感じられた。

 マネージメントの特徴を説明する前に理入と行入の説明をする。

 理入と行入は仏教用語からきています。

 理入・・・頭で理解する。

 講義形式で行なう。参加者は聞いて理解する。納得はするが、すぐに忘れる。

 行入・・・身体で理解する。

 体験型の研修。参加者は体を動かして痛い思いをしながら身体に刻み込む。

 

 具体的に2つの例を挙げる。

 ①ゲーム内では指示通りの作業が出来ない。思い込みが強い。わからなくても、なかなか自分から助けを求められない。

 実際の仕事でも、手順通りに作業を進めるのが苦手であった。思い込みなどで勝手に手順を省き、お客さまからクレームを頂くことや、スタッフから注意されることもしばしばあった。同じ作業であっても人よりも相当余計に時間がかかる事態になり、本人は反省の弁を行なっていた。大変プライドの高い人間であり、注意指摘では自分は悪くなく、相手が悪いと考える傾向が強く本人の口から全員に対し、反省の弁があったことには私は大変驚いた。

 ②ゲーム内でも売上を上げるのが得意。但し、売上に執着する余り、売上はトップだが値引きの為に単価は参加者中最下位となり、利益を出すことが出来なかった。

 実際の仕事でも、値引き販売に対する考え方で、仕入れ担当者と意見対立がしばしば発生した。売れれば良いとの考えだけではなく、経営を考えた、売り方に意識を向けることが出来るようになった。

 2つの事例を考えると、マネージメントゲームは普段の仕事のスタイルをさらけ出されてしまう研修だと再認識した。重要な意思決定を圧倒的なスピード感で行なっていき終了すればすぐに一人で決算を行ない、休む暇がない。実際の経営に近く、自分を取り繕う暇がないからどうしても素がでてしまう。人間は自分が出来ないという事実に直面するとまず恥ずかしく思い、隠すか、受け入れて修正するようになる。隠したがるスタッフに関しては、私は次の言葉を声がを大切にしている。「他人と比較する必要はありません」「過去の自分と比較して下さい」と言います。自分が出来なくて恥ずかしくて、たまらなかったからこそ大切にしたい言葉である(笑)。

 よく、マネージメントゲーム研修は長いとか、2日間の拘束はキツいとおっしゃる方がいらっしゃいますが、費用対効果の問題だと思う。今回つくづく痛感したこと、それは他人の指摘ではなかなか変化できないが、自分が気づいたことには素直になれるという事実であった。マネージメントゲーム(MG)の理入の実力を再確認した。